
キッチンカーで開業する方法には、リースやレンタル、購入などがあります。
しかし、キッチンカーを購入をすると初期投資が高額になるため、初期投資を抑えたい場合、まずはリースやレンタルを活用するケースも少なくありません。
今回は、キッチンカーのリース・レンタル・購入との費用の違いや、活用にあたって知っておきたいメリット・デメリットを解説します。
目次
キッチンカーのリースとは?

キッチンカーのリースとは、リース会社が希望に応じて車両を新規購入し、半年〜年単位の期間にわたって貸し出す契約方式のことです。
所有権はリース会社にあり、自分の資産にはなりませんが、利用者は自家用車同様にキッチンカーを運用できます。
リース契約の場合、車両の所有権はリース会社にあるため、利用者側では減価償却費を計上できません。リース料を経費として処理します。
また、リース会社によっては、期間終了後に車両を買い取れる場合もあるため、出店頻度や販売スタイルといった状況に合わせて検討しましょう。
キッチンカーのリース・レンタル・購入を比較

キッチンカーでの開業は、リースだけではなく、レンタルや購入の方法があります。主な違いは下記のとおりです。
| リース | レンタル | 購入 | |
| 契約期間 | 中長期 | 短期間 | ー |
| 契約対象 | 新車手配が基本 | すでにレンタル会社が保有 | ― |
| 所有権 | リース会社 | レンタル会社 | 購入者(所有者) |
| 途中解約 | 不可 | 可能 | ― |
| 料金相場 | 5万円~10万円/月(車検・保険込み) ※契約期間による | 2万円~5万円/1日あたり | 100万円~500万円 |
それぞれの違いを踏まえたうえで、どの方法が自分に合うかを確認しましょう。
リース契約|中長期利用に強い
リース契約は、初期費用を抑えつつ、毎日継続的に営業をしたい方に向いています。
契約期間は半年〜年単位が一般的で、1年契約なら月8万円程度、半年契約ならおよそ月9万円と、契約内容によって月の支払い額が変動します。月払いのため、月額固定費を経費として計上できるため、資金管理がしやすい点もメリットです。
ただし、契約期間中は原則途中解約ができません。やむを得ず解約する場合、残契約期間分のリース料の一括清算が必要になる場合があるため、短期運用をしたい方は注意が必要です。
レンタル|短期利用に最適
レンタルは、数日〜数週間単位での短期間の利用に適した方法です。イベント出店やお試し出店など、期間限定でキッチンカーを利用したい場合に便利です。
1日単位で契約できるため、延長や返却などの対応も比較的簡単にできます。
費用は1日あたり2万円~5万円と少額ですが、長期利用になると月額換算では割高になる傾向があります。
なお、レンタル車両は基本的に装備や外装の変更ができないため、オリジナルデザインで営業したい方には不向きです。
購入|長期・カスタマイズしたい方向け
購入とは、自分でキッチンカーを購入し、完全に自分所有にするスタイルです。自由に内装・設備・デザインをカスタマイズ可能で、自分のブランドイメージを重視した出店ができます。
長期間の運営を前提とする場合、購入する方がトータルコストではリースやレンタルより安くなる可能性があります。しかし、初期費用が高額になりやすいため、綿密な資金計画が必要です。
| 軽ワゴン・トラックの相場 | |
| 新車 | 205万円~350万円 |
| 中古 | 100万円~300万円 |
購入後は、車検・整備・営業許可取得などを自分で手配し、管理する必要があります。
キッチンカーをリース契約するメリット

キッチンカーのリース契約する場合、まとまった資金がなくても最新設備のキッチンカーを利用できる可能性があります。
ここでは、キッチンカーをリース契約すると得られるメリットを紹介します。
開業にかかる初期費用を抑えられる
リース契約なら頭金10万円程度と、月額5万円~10万円で始められるケースが多いため、初期費用を大幅に抑えられます。
キッチンカーを購入する場合、軽ワゴン・トラックでも新車なら205万円~350万円、中古車でも100万円~300万円程度が一般的です。さらにキッチンカー仕様に改装する費用も別途必要になることがあります。
そのため、開業に際してリースを活用すれば、設備投資の負担を軽減し、その分を開業後の運転資金や広告費、メニュー開発などに充てやすくなる点が大きなメリットです。
メンテナンスや手続きなどのサポートを受けられる
リース契約なら、車両管理や開業手続きのサポートを受けられるため、安心して事業を始められます。
キッチンカー開業には、車両のメンテナンスや車検、営業許可申請、保険加入など、多くの準備が必要です。リースでは、開業に必要な申請をサポートするプランが用意されている場合があります。
また、車両点検や消耗品交換などのメンテナンスをリース会社が対応するケースがあり、管理の負担を減らしながら安心して営業を続けられます。
撤退にかかる費用が抑えられる
リース契約なら、撤退時の費用負担を最小限に抑えられます。
キッチンカーだけではありませんが、営業を続けていくなかで想定とのギャップややむを得ない事情で、撤退・閉業を判断せざるを得ないケースがあります。
キッチンカーは特殊車両のため、一般的な中古車店では買取不可のケースがあり、買取ができたとしても査定額が低くなるケースが多いのが実情です。
一方、リース契約であれば、車両の処分リスクを負う必要がなく、撤退にかかるコストを抑えられます。
リース期間終了後にキッチンカーを購入できる
リース契約の内容によっては、リース期間が終了したあとに残価を支払えば、キッチンカーを買い取れる場合があります。
残価の金額はあらかじめ契約で決められており、1万円前後に設定されているケースがあります。あまり大きな金額ではないため、リース期間が終了すれば、実質的に自分のものになると捉えられるでしょう。
リースは、使い慣れたキッチンカーを引き続き使用できるのが、魅力的なメリットです。もちろん新しいキッチンカーを使いたい場合には、新たにリース契約を締結できます。
キッチンカーをリース契約するデメリット

キッチンカーをリース契約する前に理解しておきたいデメリットは主に2つあります。
長期だと購入に比べ支払額が割高となる
リース契約は初期費用を抑えて開業できる一方で、長期的な支払い総額は購入よりも高くなる傾向があります。
リース料には車両代のほか、金利や保険料、メンテナンス費用などが含まれるため、、月々の支出が積み重なれば、数年後には購入価格を上回るケースも少なくありません。
長期間の利用を想定している場合は、購入した場合の総費用とリース契約での支払い総額を比較したうえでの判断が必要です。
中途解約ができない(一部例外あり)
リースは、原則として契約期間での途中解約はできません。
公益社団法人リース事業協会の『リース契約の特徴』にもあるように、リースは契約時にリース会社が代金を全額支払い、利用者がリース料として分割で返済する仕組みです。
そのため、契約期間中に事業方針を変更したり、収益が思うように上がらなかったりする場合でも、残りのリース料を支払う義務が発生する可能性があります。
ただし、リース会社によっては中途解約や契約期間短縮に対応するプランを設けている場合もあるため、契約前に条件をよく確認しておくと安心です。
キッチンカーの開業に向けて

固定店舗よりも安価で開業できるのが魅力のキッチンカーですが、いきなり車両の購入・一般車両のカスタムをすることには様々なリスクが伴います。
初期費用を抑えながら飲食店を開業したい方は、モバイルコンテナもおすすめです。
購入やレンタルのプランがあり、比較的低リスクでスタートできるため、飲食店や屋台運営の経験がない方でも取り組みやすいでしょう。
まとめ

キッチンカーのリースは初期費用を抑えて開業できるうえ、メンテナンスや手続きのサポートを受けられる点も魅力です。
一方で、長期的には支払総額が高くなる場合や、原則として中途解約ができないといったデメリットもあります。
キッチンカーで早期に開業する方法もありますが、コンテナ型店舗を活用すれば低コストかつ手軽に出店可能です。
「HIRAKEL」では、コンテナ型や屋台型の店舗を初期費用を抑えて利用できるプランを用意しています。
いろいろな出店スタイルを試しながら、自分に合った方法や資金計画を検討し、無理のない形で理想の開業を目指しましょう。


