近年新型コロナウィルス流行の影響もあり、3密を避けた新しい飲食スタイルとしてキッチンカーへの注目が集まっています。屋外での料理提供となるため感染防止が容易であること以外にもキッチンカーの優れている点として、
・固定店舗よりも安価な初期投資や短期間での開業が可能。
・少人数で運営できるため人件費が抑えられる。
などが挙げられます。
また新規開業を検討されている事業者の方だけでなく、既に店舗開業されており2店舗目の出店を考えられている事業者の方々からも需要が高まっています。
そんなキッチンカーですが、こだわりを重ねた設備の設置し、車両から購入となるとやはりそれなりに高額となります。本記事ではより低コストで開業が可能なキッチンカーのリース契約について紹介させていただきます。
目次
キッチンカーのリースとは?
リースとは、物品を利用者に代わってリース会社が購入し、利用者はリース会社に対してリース料金を支払うことで、物品を使用できる仕組みです。主に高額な機材に関してリースが活用されており、キッチンカーもリースで利用できます。
リースでキッチンカーを利用する場合には、自分の資産にはなりませんが、独占的に使用できます。
また、自分の資産でないため減価償却費は計上できませんが、リース料金を経費として計上できます。
キッチンカーのリースとレンタルの違い
リースとよく似ているサービスとしてレンタルがあります。どちらも、キッチンカーを借りて使用する点では違いはありませんが、リースとレンタルでは契約条件が異なります。主な違いは次の表のとおりです。
リース | レンタル | |
契約期間 | 中長期 | 短期間 |
契約対象 | 新規購入 | すでにレンタル会社が保有しているもの |
所有権 | リース会社 | レンタル会社 |
途中解約 | 不可 | 可能 |
料金 | キッチンカーの価格×リース利率 | 一定のレンタル料金設定 |
両者の違いを踏まえた上で、どちらがおすすめなのか見ていきましょう。
中長期の利用ならリースがおすすめ
継続的な事業としてキッチンカーを中長期で利用するなら、リースがおすすめです。初期費用を抑えた上で新車のキッチンカーを使用できます。購入するのと違って、ローンなどの負債を抱えることはありません。
リース料金のトータルの金額は、購入するよりも高くなることが多いです。しかし、毎月支払うリース料金は全額経費として計上できるので、税金の面で不利になることもないのです。
最初から中長期で使用するつもりなら、途中解約ができなくても不都合はありません。
短期間の利用ならレンタルがおすすめ
キッチンカーを使用して継続的に事業を行うのではなく、イベントなどで一時的に使用したい人もいるでしょう。その場合には、リースよりもレンタルの方をおすすめします。
中長期の契約をしなくて済むため、単発でキッチンカーが必要なときなどに便利です。
また、予定が変更になったときなどには、契約期間満了前の返却もできます。 ただし、1日あたりの料金はリースと比べると割高です。長く利用する用途には向かないため注意しましょう。
キッチンカーリースのメリット
前項でキッチンカーを借りて開業するにはリース契約が必要と記載いたしました。
本項ではより詳しいメリット・デメリットを紹介させていただきます。
まずリース契約を行うメリットは大きく以下の4つとなります。
開業にかかる初期費用を抑えられる
キッチンカーを購入する場合、中古キッチンカーの購入、もしくは軽トラック等一般車をカスタムしたとしても数百万円以上の初期費用が発生します。
リース契約の場合は数十万円程度の頭金+数万円(月額)で利用できるため、大きく初期費用を抑えることができます。初期費用を抑え手元に資金を残すことで開業後に発生する様々なイレギュラーにも対応しやすくなるでしょう。
将来的なキッチンカー購入にむけて実業務を伴った構想が練れる
実際に対面で接客をすると開業前の想定通りにいかないことも多々出てきます。
既にキッチンカーを購入した上で業務を始めると設備の配置やデザインを修正したくても簡単にはできません。リース契約であれば将来の購入に向けて対顧客・実務経験を踏まえた構想・設備計画を得ることができます。
メンテナンスや手続きなどのサポートを受けられる
キッチンカーの車検手続きや営業に際しての手続きサポートなどがリース内容によっては契約に含んでいる場合も多く、手続きの一部でサポートを受けられる場合があります。
開業前には車両手配以外にも様々な準備が必要となるため、事業者の方々が煩雑な手続きに時間を割かずに済むのは大きいのではないでしょうか。
撤退にかかる費用が抑えられる
キッチンカーに限ることではありませんが営業を続けていく中で、想定とのギャップややむを得ない事情で短期間の内に撤退・閉業をすることもあるかと思います。
キッチンカーを購入した場合、閉業後に売買等を行いたくても特殊車両となるため、一般的な中古車店等では買取不可や安価な価格での買取となってしまうこともございます。リース契約であればそういった撤退に際する費用も最小限に抑えられます。
リース期間終了後にキッチンカーを購入できる
リース契約の内容によっては、リース期間が終了した後に残価を支払えばキッチンカーを買い取れる場合もあります。
残価の金額はあらかじめ契約で決められており、1万円前後に設定されていることが多いです。あまり大きな金額ではないため、リース期間が終了すれば、実質的に自分のものになると捉えることもできます。
使い慣れたキッチンカーを引き続き使用できるのが魅力的なメリットです。もちろん新しいキッチンカーを使いたい場合には、新たにリース契約を締結することもできます。
キッチンカー リースのデメリット
リース契約のデメリットは大きく2つとなります。
長期的には購入に比べ支払額が割高となる
リース契約の期間は契約によりさまざまですが、一般的には3~5年程度となります。
そのため、長期的な支払額については一括購入よりもリース契約の方が割高となります。
中途解約ができない(一部例外あり)
キッチンカーに関らずいかなるリース契約においてもリース期間中の解約はできません。
期間中に解約を希望する場合は残リース料もしくは残リース料相当の違約金の支払いが発生します。なお解約理由などによっては一部例外等が認められる場合もあるため、その際はリース会社に確認を行うのがよいでしょう。
参考:公益社団法人リース事業協会
https://www.leasing.or.jp/information/finance.html
キッチンカーリースの費用相場
リース費用の目安としては、初期費用が高い場合で200万円程度です。ただし、リース会社によっては、初期費用がかからず毎月のリース料金のみの場合もあります。
また、リース料金として車両代にかかる分は、安い場合で毎月5万円程度です。これとは別に、車両保険料に1万5千円程度かかります。そのため、最低でも毎月6万5千円程度はかかるものと捉えておいてください。
キッチンカーのリース費用は、リース会社によって幅があります。設備や外装などによる違いも大きいため、こちらで紹介した費用相場はあくまで目安と捉えておきましょう。
自身の開業予算を踏まえて、最適な業者を選ぶのが望ましいです。
キッチンカーの費用感については以下の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
キッチンカー 開業に向けて
固定店舗よりも安価で開業できるのが魅力のキッチンカーですが、いきなり車両の購入・一般車両のカスタムをすることには様々なリスクが伴います。
また、初期費用を抑えつつ飲食店を開業したい方は、モバイルコンテナもおすすめです。 低リスクで購入、レンタルもできるのでこれまで飲食店や屋台を経営したことがない方でも安心です。
また、初期費用を抑えつつ飲食店を開業したい方は、コンテナ型店舗もおすすめです。 低リスクで購入、レンタルもできるのでこれまで飲食店や屋台を経営したことがない方でも安心です。