出店するなら屋台と露店のどちらが良い?開業に必要な資格や許可について

屋台は高額なテナント料を節約することができるため、開業のハードルが低いメリットがあります。ただし営業活動を行う以上、取得しておかなくてはならない資格や許可もあるため、事前によく理解しておきましょう。

特に食品を取り扱う屋台の場合は、店舗を構える飲食業と同様の資格や許可も必要となります。

ここでは屋台での開業を目指す方へ、必要な資格や許可について解説します。

屋台と露店の違い

屋台と似たような営業スタイルに、「露店」があります。どちらも店舗を構えないのが特徴ですが、屋台と露店にはどのような違いがあるのでしょうか。

屋台とは

屋台とは、屋根と台(カウンター)を設けた、小さな店のことを指します。簡易的な小屋の形をしており、雨風をしのげるだけではなく、手軽に移動できるのが特徴です。

設置も簡単で、リアカーや軽トラを改造したタイプのほか、簡易テントを利用したタイプもあります。一般的には、ラーメンやおでんを販売しているイメージが強いものですが、ほかの飲食物を取り扱ったものも屋台に該当します。

露店とは

露店とは、路上や神社・寺社の境内などに商品を並べて販売する店を指します。フリーマーケットに出店している店も、露店の一種です。

店の作りは簡素で、屋根や台などがないことも多く、ゴザを敷いただけの場合もあります。リアカーや軽トラで移動できる屋台とは違い、移動できないことも多いです。

屋台と露店のどちらが良いのか?

次に、屋台が向いているケースと、露店が向いているケースについて紹介します。

また、飲食店を開業したいなら、屋台や露店ではなく「キッチンカー」という手段もあります。下記の記事にて屋台とキッチンカーの違いを解説していますので、飲食店開業を目指している人は参考にしてみてください。

継続的に営業するなら屋台

飲食店など、継続的に営業したいと考えているなら屋台が向いています。

屋台は店舗と比較すると簡素ではあるものの、屋根や台があって小さなお店の形をしています。商品や調理器具など、営業に必要なもの積んだまま移動できるため、準備や片付け、保管にも手間がかかりません。

とはいえ、屋台は露店と比べると、開業時にそれなりの資金が必要になります。普段は決まった場所で営業して、お祭りやイベントのときだけ会場周辺で営業するのも良いでしょう。

臨時的に営業するなら露店

お祭りやイベントのときだけなど、臨時で営業するなら露店が向いています。

ゴザを敷くなどして商品を並べるだけで営業できるので、開業資金もあまりかかりません。

ただし、非常に簡素な作りで、商品や備品を保管するスペースがありません。長期間継続的に営業するのには向いていないでしょう。

屋台を開業するために必要なもの

屋台で飲食店を開業するときは、営業用の屋台だけではなく、事前に用意しておくべきものがあります。

簡易的な設備での開業であっても、事前に食品衛生責任者の資格と営業許可は取得しておかなくてはなりません。

「食品衛生責任者」の資格

食品衛生責任者とは、HACCPに沿った衛生管理をはじめ、施設や店舗における衛生管理を行う立場の人です。令和3年の法改正により、営業許可または営業届出の対象となるすべての業者が、食品衛生責任者を設置することが義務付けられました。

HACCP(ハサップ)とは「Hazard(危害)・Analysis(分析)・Critical(重要)・Control(管理)・Point(点)」の頭文字を取った略語です。宇宙食の安全性を確保するための基準でしたが、現在は世界的な衛生管理の手法となっています。

屋台や露店を含め、飲食店を経営するときは、必ず施設や店舗に食品衛生責任者を設置する必要があります。

取得方法

食品衛生責任者の資格は、各都道府県の関係団体が定期的に開催している衛生講習会を受講することで、誰でも手軽に取得できます。

受講者は必ずしも飲食店経営者や経験者でなくてはならない、という決まりもないため、はじめて屋台を開業する方もスムーズな手続きで受講できます。 衛生講習会では、食品管理や衛生に関する基礎知識を学び、修了証を受け取ります。

取得にかかる費用

食品衛生責任者の資格を取得するための費用は、都道府県によって異なります。平均は8,000円~10,000円程度です。

講習内容などの全国標準化により、平成9年より一度取得した食品衛生責任者の修了証は全国で通用するものとなりました。ただし6時間以上の受講を満たしている必要があるため、他県での取得を検討している方は、事前に受講時間や県外でも通用する資格かどうかを確認しておきましょう。

取得時の注意点

食品衛生責任者の資格は、衛生講習会の受講者だけではなく、たとえば医師や薬剤師など特定の資格を有する方は、講習会を受講する必要がありません。飲食業界であげると、栄養士や調理師、製菓衛生士、船舶料理士が該当します。

すでに栄養士や調理師などの資格を取得しているのであれば、改めて衛生講習会を受講せずとも、食品衛生責任者として活躍できます。

自治体の「営業許可」

屋台や露店も飲食物の調理や販売を行う場合、自治体の営業許可を取得する必要があります。
営業許可とは、地域の保健所から経営計画や設備が衛生面などの安全性を確保できているか、基準を満たしているか確認されたうえで発行される許可証です。

万が一、営業許可を取得しないまま屋台や露店で飲食店を経営すると、営業停止だけではなく2年間営業許可を新たに取得できなくなるペナルティが発生します。

取得方法

営業許可は、自治体ごとに取得するものです。たとえばお祭りへの出店をメインとしている露店が、県をまたいで各地で営業する場合、出店予定の地域ごとに営業許可を取得する必要があります。

営業許可には複数の種類があり、提供する食品によって必要な許可が異なるため、事前に自治体の担当者へ相談しておくと良いでしょう。申請時は屋台または露店の図面の提出も必要です。

取得にかかる費用

営業許可の申請時は、手数料として6,000円~10,000円程度かかります。
どこに申請すれば良いのか分からないときは、厚生労働省のホームページの「保健所管轄区域案内」を見ると、営業したいエリアを管轄している保健所が分かります。

取得時の注意点

保健所に営業許可取得に関する問い合わせを行うときは、必ず屋台や露店での営業であることを告げて相談してください。自治体によっては、露店営業そのものが禁止されていることもあるためです。

直接確認しなければ分からないため、保健所への問い合わせ時は、まず露店での営業を考えていることを伝え、出店の可否から確認することをおすすめします。

屋台を開業するまでの流れ

屋台を開業するまでの主な流れは、以下のとおりです。

1.衛生講習会を受講する

2.出店予定地の保健所で事業内容の相談をする

3.設備を整える

4.出店地の保健所に営業許可申請を提出する

5.保健所で設備のチェックを受ける

まずは衛生講習会を受講し、食品衛生責任者の資格を取得しましょう。食品衛生責任者の資格がなければ、保健所に営業許可の申請を出すこともできません。

また、申請する前に出店を予定している地域の保健所で、事業内容について相談する必要があります。何の相談もしないまま屋台を制作すると、いざ保健所のチェックが入ったときに大幅な修正を求められる可能性があるためです。

まずは保健所に事業内容の相談を行い、屋台づくりのアドバイスももらいましょう。相談時に問題ないと判断されてから営業許可申請を提出し、設備の制作や保健所でのチェックに入るほうがスムーズに進められます。

無事に営業許可を取得したら、晴れて開業です。

屋台で開業する際の注意点

店舗を構えるよりも開業しやすい屋台ですが、開業の際にいくつか注意したいことがあります。

食品の取り扱い方

屋台で飲食店を開業する際には、食品の取り扱い方に注意が必要です。基本的に屋台では、営業前の仕込みができません。

事前に別の場所で仕込みを済ませて屋台に持ち込む必要があるため、調理場所の確保や移動手段で悩むことがあるでしょう。

また、地域によっては非加熱のメニューや生クリーム・フルーツ・生野菜などを使ったメニューなどが取り扱えないことがあります。メニューの制限は地域によって異なるため、事前にしっかり確認しておきましょう

洗浄設備があるかどうかなど、屋台の設備の充実度でも取り扱えるメニューが変わるため、提供したいメニューに必要な設備も調べておくことが重要です。

営業許可の種類

屋台で開業するのであれば、営業許可の種類も確認しましょう。どのようなメニューを提供するかによって、取得が必要な営業許可の種類が異なります。屋台で飲食店を営業する場合に必要な営業許可は、以下のいずれかです。

・飲食店得業許可証

・菓子製造許可証

・喫茶店営業許可証

仮にから揚げや焼きそばなどのメニューを提供するとしたら、飲食店得業許可証が必要です。たい焼きやベビーカステラなどのスイーツ系メニューを提供する場合は、菓子製造許可証を取得する必要があります。

かき氷や紅茶などのドリンクを提供するなら、喫茶店営業許可証を取得しなくてはなりません。

営業許可証で認められているもの以外のメニューを提供すると、違法行為として罰則を受ける可能性があるため注意しましょう。

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まとめ

屋台や露店での飲食店開業も、テナントを利用した場合と同じく食品衛生責任者の資格と、営業許可を得る必要があります。どちらもきちんと段取りを組み、手順どおりに進めていけば問題なく取得できるものですが、順番を間違えると申請を何度も行わなければならず、手間がかかってしまいます。

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