食品を調理し販売するには、基本的に営業許可や届け出の申請が必要になります。
今回は、東京都における営業許可や届出の中の【臨時出店・臨時営業】に関する申請の流れや、注意点を解説します。(あくまで参考ですので詳しくは各所管の保健所の指導に従っていただきますようお願いいたします。)
目次
臨時出店・臨時営業とは?
東京都では、一時的に催される行事において、簡易な施設を設けて食品提供をする営業方法がいくつかの分類に分けられており、用途に合った許可や届出が必要になります。
東京都保健医療局のホームページでは以下の記載があります。
「営利を目的としない縁日、祭礼等の行事において、不特定多数を対象として営業等を始められる場合は、臨時営業の許可申請又は臨時出店の届出が必要となります。」
催事(イベント)などで一時的に食品を調理して提供する場合や食品を販売する場合は、営業許可または届出が必要となるようです。次に臨時出店と臨時営業について解説します。
臨時出店の概要
「臨時出店」とは、一時的に催され不特定多数の者が自由に参加でき、出店地を所管する地方公共団体(市町村及び都)、国又は住民団体が関与する公共的目的を有する行事において、出店日数が1年につき合計で概ね5日以下である飲食店行為、食料品営業に該当するものになります。つまり、公共性のあるイベント等で、通常の店舗以外の場所において、一定の要件を満たした場合は営業許可ではなく、届出で出店出来るということになります。
住民祭など公共目的を有する行事における、主な一定の要件とは下記のような出店日数、提供商品、設備等があります。この他にも要件はありますので保健所のホームページや事前相談にてご確認ください。
・同一出店者が出店できる日数は、原則として1年に5日以下となります。 ・提供出来る食べ物は直前加熱が必要です。(飲み物は除く)生ものや大量に水を使用する食べ物は取り扱うことが出来ません。また、仕込みは現場では出来ないので店舗等の施設であらかじめ調理しておく必要があります。 ・施設の内壁、天井は清掃、洗浄及び消毒を容易にすることが出来る材料で作られ、清掃等を容易に行うことができる構造であることが必要です。要件を満たせば3方位を囲んだテントでも営業可能です。 |
臨時営業の概要
「臨時営業」とは、一時的に催され不特定多数の者が自由に参加でき、複数の行事に移動して又は同一行事に繰り返し営業するものになります。許可区分は移動型臨時営業となります。つまり、縁日や祭礼等の行事において、簡易な施設で食品を提供する場合は、営業許可が必要になるということです。イメージとしては、様々な縁日で営業する露天商のような出店だそうです。移動型臨時営業では営業できる行事が限られます。営業可能な行事は以下のようなものになります。なお、物品販売や興行等の営利を目的とした行事では営業出来ません。
・神社・仏閣の縁日、祭礼 ・住民祭 ・産業祭 ・花火大会 ・盆踊り ・花見 ・歩行者天国 ・彼岸会 |
また、前述の臨時出店同様に主な一定の要件は下記になります。提供できる商品は臨時出店と多少異なります。詳細はホームページ等でご確認下さい。
・提供出来る食べ物は直前加熱が必要です。(飲み物は除く)生ものや大量に水を使用する食べ物は取り扱うことが出来ません。また、仕込みは現場では出来ないので店舗等の施設であらかじめ調理しておく必要があります。 ・施設の内壁、天井は清掃、洗浄及び消毒を容易にすることが出来る材料で作られ、清掃等を容易に行うことができる構造であることが必要です。要件を満たせば3方位を囲んだテントでも営業可能です。 |
申請の進め方は?
臨時出店、移動型臨時営業の主な手続きの方法を解説します。
下記の流れに沿ってひとつずつ申請し、営業当日に間に合うよう準備していきましょう。申請の進捗によっては数週間かかるので、余裕をもったスケジュールを立てることが必要です。
保健所へ事前相談をする
届出や営業許可の申請先は、管轄する保健所です。まずは出店したい地域の保健所に相談しましょう。
要件が地域によって異なる場合があります。細かいところまで確認するために出店内容の想定を詳しく検討しておきましょう。相談は何回でも可能ですので1回では終わらないことも念頭に入れて臨みましょう。事前相談は電話や窓口でも可能ですので相談しやすい方法で行いましょう。
申請書類の準備を行う
申請に必要な書類は、臨時出店と移動型臨時営業では異なります。
また、申請する人の法人・個人、飲食店舗を持っているか、食品衛生責任者の資格の有無等によって異なります。
臨時出店の場合は、下記の書類を揃えます。行事主催者が、臨時出店者が記入した「行事における臨時出店届」を添付した「行事開催届」を提出する必要があります。
・行事開催届(2通) ・行事における臨時出店届(2通) |
臨時営業出店の場合は、下記の書類を揃えます。
・営業許可申請書・営業届(1通) ・施設の構造及び設備を示す図面(2通) ・登記事項証明書の写し(法人かつ営業許可申請書に法人番号を記載しない場合) ・仕込場所の営業許可書の写し(仕込みを行う場合) ・食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等) ・許可申請手数料(飲食店営業(臨時):6,500円)※価格は変更される場合がございます。 |
参考:「催事(イベント)などにおける食品の取扱いに関する手続き」(東京都江東区)
「営業許可申請書(営業届)」等は、保健所のホームページからダウンロードできます。窓口へ直接取りに行くこともできるので、相談を兼ねて書類を取得するのもおすすめです。
食品衛生責任者の資格をもっていない場合は、申請までに取得しておく必要があります。申請取得するには、所定の講座の受講が求められます。調理師免許を取得している方であれば、改めて食品衛生責任者の資格を取得する必要はありません。
営業設備を検査してもらう
臨時出店の場合はあまりありませんが、臨時営業の場合、最後は、保健所の担当者に営業する予定の設備を確認してもらいます。食品衛生や安全管理についてチェックされた後、問題なければ営業許可が下ります。
発行された許可証はお客さまから見える場所に掲示し、営業当日を迎えましょう。万が一指摘事項を受けた場合は、改善して後日再検査を実施する必要があるので、スケジュールに余裕をもっておくことがポイントです。
臨時で出店するメリットとは
飲食店の営業は固定店舗ですることもできますが、異なる営業スタイルや場所で販売し短期間で売上を伸ばしたい場合はイベント等に出店することも選択できます。
さらに、お店や商品の認知度を上げるためにも催事出店は効果的です。固定店舗の立地には訪れない方や狙った年齢層に訴求したい場合、催事を選ぶことで達成できるかもしれません。
ただし、天候や客足によってはイベント用に仕込んだ食材が売れ残る場合があるので、コストと収益のバランスを考えて自分に合った出店方法を選びましょう。
まとめ
臨時出店や臨時営業といったイベントへの飲食店出店の方法は、様々あります。自分に合った商品や設備、催事を選んで申請手続きに臨みましょう。
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