飲食店を経営したいけれど、大きな資金が準備できず開業に尻込みしている人もいるのではないでしょうか。実は店舗を持たずとも、飲食店を開業する方法があります。
店舗を持たない飲食店は、初期費用や固定費を抑えられるため、近年注目されているビジネスモデルです。今回は、店舗を持たない飲食店はどのようなものを指すのかをはじめ、店舗を持たないメリット、デメリットについて紹介します。
目次
店舗を持たない飲食店とは?
飲食店といえば、店舗にお客様を入れて営業するのが定番です。しかし近年では、新しい形態の飲食サービス業として、店舗以外の場所で料理を提供する方法もメジャーになりつつあります。たとえば、宅配型や移動販売と呼ばれるものが代表的です。
飲食店をスタートさせるときに、多くのケースでネックとなるのが店舗問題といわれています。自己所有か賃貸によっても異なりますが、どちらの場合でも大きな費用が発生するからです。
とくに、飲食店では集客率を上げるための立地も大切な要素となるため、店舗を構える場所選びに時間がかかります。
また、キッチンには多くの設備を導入しなければなりません。設備導入費はもちろん、維持するのにもコストがかかります。
店舗を持たないことで、飲食店の開業時にかかる初期費用とランニングコストを下げることができます。
店舗を持たない飲食店の種類
店舗を持たない飲食店を開業する方法は、ひとつではありません。近年は、さまざまな業態で出店されています。まずは、店舗を持たない飲食店にどのような種類があるのかを見ていきましょう。
ここでは、4種類の業態を紹介します。ただし、営業に関する許可や資格は、管轄の自治体によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
ゴーストレストラン
ゴーストレストランは、デリバリー専用の飲食店です。キッチンのみの役割を担っているので、ゴーストキッチンと呼ばれることもあります。
自宅やレンタルオフィス、シェアキッチンなどを利用して調理する営業形態です。調理した料理を、注文先まで配達するスタッフを雇って運営します。近年では、Uber Eatsなどの配達サービスを利用して宅配しているお店も多いです。
ゴーストレストランを運営する際には、調理場所の確保と保健所の飲食店営業許可が必要です。
キッチンカー・フードトラック
キッチンカーやフードトラックは、調理場として使える設備を搭載した車両で、移動販売が可能です。
イベントへの出店はもちろん、需要があるお昼の時間帯や夕方のみの出店など、地域の特性に合わせて販売できます。
車両を購入して一から設備を用意すると初期費用が膨らみますが、最近ではキッチンカーのレンタルを行っている企業もあり、手軽に出店できるようになりました。
とはいえ、キッチンカーやフードトラックも飲食店には変わりないので、基本的には出店場所ごとに販売許可や保健所の営業許可が必要です。また、車の設備に関する条件、保健所の検査もあります。
これらの許可や条件は、管轄する自治体ごとに規定が異なるので、事前に確認しておきましょう。
以下の記事では、キッチンカーによる店舗開業について詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
自宅カフェ・週末カフェ
自宅の一部で飲食店を営む方法は、本業が休みの週末のみ営業を行う人も多く、副業としても人気です。自宅をはじめ、定休日の飲食店やシェアオフィスを活用して飲食店を運営する方法は「ソーシャルダイニング」といい、近年注目されています。
自宅カフェや週末カフェは、厳密にいえば店舗があるものの、空いたスペースを活用して開業できるので初期費用を抑えつつ気軽な開業ができます。
しかしその反面、騒音や駐車場問題など近隣トラブルに発展するリスクもあるため、開業前に近隣住民への説明や了承を得ておくことがおすすめです。 自宅で開業する場合も、飲食店許可の取得や食品衛生責任者の資格取得が必要です。各自治体によって基準が異なるため、事前に確認しておきましょう。
コンテナハウス
コンテナハウスで調理から販売まで行う営業形態で、建物ごと移動できるのがメリットです。こちらも、厳密にいえばコンテナが店舗にあたりますが、移動可能なことから立地のリスクを減らせます。
現代の飲食店経営では、立地が読みづらいといわれており、土地選びに失敗すると集客が上手くできず経営が立ちいかなくなることも多いです。
コンテナハウスなら、店舗を移動できるので立地問題に対するハードルが通常の店舗に比べて低いといえます。
ただし、トレーラーハウスは、サイズや仕様によって車両とみなされるケースと建築物とみなされるケースがあるため、それぞれの区分に沿った管理が必要です。
また、飲食店営業許可や食品衛生責任者の資格取得、防火管理者の選定などが必要となるため、事前に確認しておきましょう。
コンテナハウスでの店舗開業については以下の記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
店舗を持たない飲食店を開業するメリット・デメリット
店舗を持たずに飲食店を開業するには、メリットとデメリットの双方を理解しておかなければなりません。それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか知っておきましょう。
店舗を持たないメリット
店舗を持たずに飲食店を開業するメリットは、大きく分けて3つあります。
初期費用やコストを抑えられる
いちばんのメリットは、やはり初期費用やコストを抑えられることです。店舗を持つとなれば、物件の準備にたくさんの時間とお金がかかります。
賃貸にしても、敷金礼金はもちろん仲介手数料や保証金などを準備しなければならず、さらに月々の賃料も払わなければなりません。
店舗を持たなければ、賃料や内装工事費も一般的な店舗と比べて安く済みます。飲食店経営がはじめての人なら、無店舗からスモールスタートするのがおすすめです。
立地による売上の影響を受けにくい
店舗を持たないことは、柔軟に対応できることにつながります。店舗を持っていると、お客さんに来てもらう「待ち」のスタイルになりますが、店舗を持たないことで気軽にお客さんが多い場所に宅配や出店が可能です。
店舗型よりも広い範囲の客層を取り込めるので、スタート時から収益が出しやすいといえます。また、地代がかからないため、繁華街でもコストをかけずに出店でき利益を出しやすいです。
費用を抑えて利益を増やせる
店舗にかかる固定費がかからないのも、大きなメリットです。衛生管理にかかるコストも抑えられるため、安定して利益を生み出せる環境でスタートできます。必要最小限の接客で良いため、人の雇用も最小限に抑えられるでしょう。
店舗を持たない飲食店のデメリット
たくさんのメリットがある一方で、デメリットも存在します。デメリットは、大きく分けて以下のふたつです。
集客に工夫が必要
店舗がないため積極的に広報をしないとお客さんに認知してもらうことが難しく、利用される機会が少なくなります。まずは、SNSやネットチラシなどを活用しながら、認知度を上げていくことが必須です。
ネットショップを併用すると、収益を生み出すチャネルも増え、認知度が向上しやすいといえます。デリバリーサイトに登録して、露出を増やすこともおすすめです。
配達や販売ルートの確保にコストがかかる
配達スタッフを用意するには、その分人件費がかかります。配達サービスを利用するにしても、利用料や手数料がかかるため、配達コストを見越した価格設定が重要です。
店舗を持たない飲食店を検討中ならHIRAKELがおすすめ
スモールスタートで店舗を持たずに飲食店をはじめたいなら、HIRAKELにお任せください。HIRAKELなら、ワゴン型屋台やモバイルコンテナをレンタルできるので、初期費用を抑えて飲食店を開業できます。
モバイルコンテナは、シンプルで設置しやすく見た目もおしゃれです。さまざまなプランを用意しているため、予算や営業スタイルに合ったプランを選択できます。
飲食店をはじめる際には、さまざまな許可申請はもちろん、出店スペースの契約など、初心者では難しい問題も多いです。
HIRAKELは、初期費用を抑えつつ飲食店を開業したい方へ、コンテナ型店舗の購入、レンタルが可能です。 低リスクで購入、レンタルもできるのでこれまで飲食店や屋台を経営したことがない方でも安心です。
まとめ
店舗を持たずに飲食店を開業すると、たくさんのメリットがあります。多額の資金が用意できていないと飲食店開業は難しいと考えられていた一昔前とは違い、現在はさまざまな方法で開業できます。
飲食店を開業したいなら、ぜひ店舗を持たずに開業する方法も視野に入れてみてください。