
コンテナハウスでカフェを開業する最大のメリットは、おしゃれな空間を短期間で設置できる点です。一方、開業に必要な初期費用や各種申請手続きについて事前に理解しておく必要があります。
今回は、コンテナカフェを始める際の費用相場や準備段階で押さえておきたい注意点、初期費用を抑える方法についても紹介します。
目次
コンテナハウスとは

コンテナハウスとは、貨物輸送用のコンテナを建築物として転用したものです。ただし、日本で一般的に用いられるコンテナハウスは、建築基準法との兼ね合いから、貨物輸送用ではなく建築用コンテナを用いるケースが多く見られます。
コンテナハウスは、広さやデザインをカスタマイズしやすい、工期も短いなどの理由から、店舗やカフェ、事務所、住居など幅広く活用されています。
コンテナハウスとよく比較されるのが、プレハブやユニットハウス、トレーラーハウスです。しかしこれらは、使用する鉄板の厚さや車輪の有無など、規格が異なる別の建築形式です。
コンテナハウスでカフェをするメリット

ここからは、コンテナハウスでカフェを開業する主なメリットを3つ紹介します。カフェ開業を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
おしゃれなデザインで注目を集められる
現在、数多くのカフェが存在します。エリアによっては、密集している地域もあり、他店舗との差別化が必須です。
テナントを借りた場合、外観や内装の改装に制限がかかるケースがあります。
コンテナハウスなら、自由にカスタマイズが可能です。内外装のカラーリングにこだわれるのはもちろん、窓や扉の配置も自在に設計できます。
個性が際立つおしゃれなカフェは、SNSでも拡散されやすく、多くの人の注目を集めやすいため、集客効果が期待できます。
増築することも可能
コンテナハウスは、自由な増築や改築が可能です。初期費用を抑えるために、開業は小さなカフェから始め、売上が上がってきたタイミングで規模を大きくすることもできます。
コンテナハウスを横に並べての増築だけでなく、土地に余裕がない場合には、縦に積上げる増築も可能です。
カフェを移転する際も、クレーンや輸送車両を使ってコンテナを移動でき、解体が不要なため、費用も抑えられます。
コンテナハウスを活用した店舗作りについて詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご覧ください。
工期が短い
コンテナハウスの製作に用いられているのは、プレハブ工法です。この工法は、建物の大半を工場で製作し完成品を現地に運び込むため、施工期間が短縮できます。
一般的な木造建築が、完成までに6ヶ月程度かかるのに対し、コンテナハウスなら2ヶ月程度が完成の目安となります。
コンテナハウスでカフェを開業するための費用

コンテナハウスでカフェを開業する初期費用は、コンテナの大きさや立地、備品や内装によって大きく異なります。
一般的なコンテナハウスでカフェを開業するときに必要な項目別費用の目安は下記のとおりです。
| コンテナ本体 | 20ft:約60万円~ 40ft:約90万円~ |
| 外観・内観の設計 | 基礎工事:約50万円~ 内装工事:約50万円~ 設備工事:約50万円~ |
| 電気・給排水・空調など基礎工事 | 数十万円~ |
| 運搬・設置 | 20ft:4万円~18万円程度 40ft:7万円~30万円程度 |
| 申請・その他 | 土地代:立地による 書類等申請:約10万円 当面の運転資金:売上想定の6ヶ月~12ヶ月程度 |
これらはあくまで参考であり、設置条件や運搬の距離など、さまざまな要素によって価格は大きく変動します。予算内で済ませたい、開業費用をできるだけ抑えたいと考えている場合は、リサーチを念入りに行なう必要があります。
また、コンテナハウスでのカフェ開業にかかる費用の目安を知りたい方は下記をご覧ください。
コンテナハウスカフェ開業にかかる費用を抑えたいときの対策

コンテナハウスでのカフェ開業は、初期費用が高額になる心配がありますが、工夫次第で金額を抑えることも可能です。ここでは、予算内で開業するための4つのポイントを紹介します。
中古コンテナの使用
新品のコンテナ購入に比べ費用を抑えられるのが、中古コンテナの活用です。特に前店舗の設備や内装が残っている居抜きの状態で利用できる場合は、初期費用が大幅に削減できます。
ただし、中古コンテナは劣化やサビの状態を事前に把握する必要があります。また、建築基準法に適合したコンテナであるかどうかも確認しましょう。
補強工事や改修が必要になると、結果的に新築と同等の費用になる可能性があります。コンテナを入手するときは、中古コンテナも選択肢として比較検討しましょう。
レンタル・リースの利用
コンテナハウスを購入せず、レンタルやリース契約を利用するのも費用を大幅削減する方法の1つです。
レンタルやリースは、期間限定のイベントやお試しでの出店など、一時的な利用に適しています。レンタル会社によっては、内装や設備が整った状態でコンテナを提供されるケースがあり、すぐに営業できる点もメリットです。
また、コンテナの購入に不安がある場合や、事業計画が確定していない段階でのリスク軽減にも有効です。
DIY活用
コンテナの製作にDIYを取り入れることも、工事費用を大きく抑える有効な手段です。DIYは時間と手間はかかりますが、材料費だけで済むため、人件費の節約につながります。
ただし、コンテナハウスは建築基準法や消防法など、法令遵守が必要となるため、建物の構造に関わる部分や専門知識が必要な箇所は、プロへの依頼が安心です。DIYは、費用削減と独自性向上に役立ちますが、安全性と法令順守の両面を十分に確保したうえで進めましょう。
補助金使用
コンテナハウスの購入や改修に、国や自治体が提供する補助金や助成金を活用できる場合があります。
これらの制度は、創業支援や地域活性化、省エネに関する制度があり、要件を満たせば費用の一部が支給されます。ただし、公募期間、申請要件、手続きなどが細かく決まっているため、事前に確認して計画的に申請しましょう。
補助金は、制度の目的と事業内容が合致しているかを確認し、情報収集と申請を行います。これによって、資金負担の軽減が可能です。
コンテナハウスカフェ開業までの流れ

コンテナハウスでカフェを開業する流れは、下記の4段階です。
| 要件定義 | ・コンセプト、予算、広さなどの決定 |
| 物件探し | ・設置場所の検討 ・役所や消防に必要な手続きの確認 |
| 製作・設置 | ・コンテナ製作 ・現地搬入 ・電気・給排水設備工事 |
| オープン準備 | ・家具・什器の搬入、内装仕上げ ・各種手続き完了 ・スタッフ研修 |
コンテナカフェの開業には、外観や内装の製作以外にも多くの手続きが必要です。円滑に進めるため、計画的に進めていく必要があります。
コンテナカフェ開業に必要な資格・申請

コンテナカフェを開業するには、店舗や設備の準備に加え、関係省庁への手続きや提供する食品に応じた資格が必要です。ここでは、開業に必要な申請や資格について説明します。
建築確認申請をする
コンテナハウスでカフェを開業する場合、コンテナハウスが建築物とみなされます。そのため、各自治体に、建築確認申請を提出しなければなりません。
各自治体に必要な書類を提出し、審査が通れば無事コンテナハウスに着工します。
もし、1年間だけカフェを営業したい場合や、季節限定で出店する場合などは、仮設建築物の許可申請が必要です。この許可を取得すると、建築基準法の規定が一部緩和されます。ただし、設置条件によっては建築基準法を満たす必要があります。
開業するための資格を取得する
カフェは飲食店に該当するため、食品衛生責任者の資格が必須です。この資格は、自治体が指定する講習を受講して取得します。
受講料は約1万円です。数ヶ月先まで講習が満席で受けられないこともあるため、開業を予定している方は、早めに申し込みをしておきましょう。
また、カフェの収容人数30名以上を予定している方は、防火管理者の資格も必要です。こちらも、決められた講習を受講すれば取得できます。
飲食店営業の申請をする
カフェを営業するには、飲食店営業許可を取得する必要があります。自治体へ下記の書類を提出します。
| 営業許可申請書 | 法人の場合は、会社の定款や登記簿謄本が必要 |
| 営業施設の配置図 | コンテナハウスの配置図や設計図を提出 |
| 営業施設の大要 | 建築様式やコンテナハウスの面積、調理スペース、提供スペースの概要を記載 |
防火や消防に関する届出をする
コンテナカフェの開業には、防火に関する届出を関係各所に提出し、認可を得る必要があります。
| 書類名 | 提出タイミング |
| 防火対象物使用開始届出書 | 建築後や改装後、テナント入れ替え時 |
| 消防用設備設置届出書 | 消防法で定められた設備を設置した時(建物の規模や用途で申請不要の場合あり) |
| 防火管理者選任届出書 | 収容人数が30人以上で、防火管理者を選任した時 |
| 消防計画の届出 | 火災時の避難・初期対応など消防計画の作成・変更時 |
これらは建物の規模や用途、自治体によって提出物が異なる場合があります。開業日に間に合うよう、提出期限から逆算して計画的に準備しましょう。
コンテナハウスのカフェ開業前に踏まえたい注意点

コンテナハウスを利用すれば、初期費用を抑えておしゃれなカフェを開業できますが、注意点もあります。開業準備を始めてから後悔することがないように、事前に把握しておきましょう。
開業後の運転資金も用意する
コンテナカフェを開業するときは初期費用だけでなく、そのあとの運転資金も確保する必要があります。
コンテナを利用した建物は、建築基準法の建築物に該当するため、固定資産税が課税されます。設置する土地が自分のものであれば、土地も固定資産税の対象です。
壁面を大きく開放している、または随時移動できる状態で設置しているなど、条件によっては建築物に該当しないと判断されるケースもあります。しかし、建築物に該当しない場合でも償却資産として固定資産税の対象となる点に注意してください。
また、事業が軌道に乗るまでの間は、材料費、備品代、従業員の給与などの運転資金が必要です。スムーズな経営を維持するためにも、想定売上の6ヶ月〜12ヶ月分の運転資金を準備しておくとよいでしょう。
立地によっては建設不可または追加費用が必要になる
コンテナハウスは、現地で建築するのではなく、コンテナとして完成したものを現地に搬入して設置します。そのため、出店できる立地は、コンテナを運び込める場所であることが必須条件です。
道路幅が狭くコンテナ輸送車が入れない場所や、設置場所に電線などの障害物がありクレーンでコンテナを下ろせない場所には設置できないため、開業できる立地は限られます。また、傾斜地に設置する場合は、造成や整地費用が追加で必要になる場合があります。
さらに、来店者の利便性を考慮すると、駐車場の確保やバリアフリー対応なども必要になるため、ある程度の広さを持つ土地が望ましいでしょう。
中古コンテナの活用は高額になるケースも
コンテナハウスを店舗として使用する際、中古コンテナの活用には注意が必要です。
国内の建築用コンテナであれば問題ありませんが、安価な海外製の海上輸送用コンテナはISO規格で作られており、素材や構造がJIS規格で定められたものとは異なります。このため建築確認申請を通すために、改修が必要となり、結果として新品と同等以上の費用がかかることもあります。
コンテナハウスでカフェ開業を成功させるためのポイント

カフェは飲食店のなかでも競合の多い業態で、経営が難しいといわれます。コンテナハウスのカフェ開業を成功させるには、店づくりと集客プランが重要です。下記のポイント2つを押さえて、開業準備を進めましょう。
独自のコンセプトを考える
カフェ経営では、店舗のコンセプトづくりが重要です。おしゃれなだけでは競合店舗との差別化が難しいため、下記を設定して独自のコンセプトを考えましょう。
- どのような人に来てほしいか
- どのような商品を提供するか
- どのような空間設計をするか
近隣に似たコンセプトの店舗があると、顧客が分散してしまうため、事前によくリサーチしておきましょう。
SNSを活用して集客する
開業後の集客も重要です。従来のチラシやホームページでの宣伝のほか、近年では、InstagramやX(旧Twitter)などSNSプロモーションの重要性が高まっているので、ぜひ取り組みましょう。
特に、おしゃれなカフェはSNS検索されることが多いため、お店の魅力を伝える写真や動画を発信し、ファンづくりにつなげましょう。来店のきっかけとなる、フォロワー特典を用意するのもおすすめです。
コンテナハウスカフェの開業資金を抑えたいなら「HIRAKEL」がおすすめ
コンテナカフェを始めるには、本体費用や設置工事、内装工事など、まとまった初期費用が必要です。しかし、開業資金には限りがあるため、費用面に不安がある方や金額をできるだけ抑えたい方には、HIRAKELの移動式コンテナ型店舗がおすすめです。
HIRAKELの移動式コンテナ型店舗はおしゃれで実用的なデザインを兼ね備えながら、低コストで導入できます。また、短期間で設置できるため、開業準備を効率的に進められます。
※建築物ではありませんのでコンテナハウスと異なる制限等がございます。
さらに「まずはお試しで開業したい」という方は、HIRAKELレンタルなら
本格的なカフェ運営が1日49,500円(税込)から利用できます。初期投資を抑えつつ、事業の可能性を確認したい方に最適です。

まとめ
コンテナハウスでのカフェ開業は、おしゃれな外観を集客につなげることができます。ただし、お店や場所にこだわればこだわるほど、初期費用が多くかかるため、挫折する可能性が出てきます。
しかし、HIRAKELを利用すれば、費用の負担を抑えながらカフェの開業が実現可能です。
HIRAKELでは、飲食店の開業を検討している方に向け、初期費用を抑えられる移動式コンテナ型店舗のご紹介やレンタルをしています。低リスクでの購入・レンタルが可能ですので、飲食店や屋台の経営が初めての方でも安心してご利用いただけます。

