店舗の運営やイベントの出店に欠かせないのが什器備品です。とはいえ、必要な什器備品を揃えるとなるとそれなりに費用がかかるので、できるだけコストを抑えて購入したいところでしょう。
そこでこの記事では、什器備品を選ぶポイントについて解説します。購入費用を抑える方法についてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
什器備品とは?
店舗の運営などで必要な什器備品ですが、具体的にどのようなものを指すのか、また工具器具備品との違いはなにか、について解説します。
什器備品とは?
什器備品とは、一般的に店舗で使用する器具のことを指します。什器備品の「什器」とは、商品の陳列や展示、保管などの目的で使用される器具のことです。具体的には、商品を陳列するための棚やラック、キャビネットなどが挙げられます。
「備品」とは、ある場所や目的において必要な道具や器具、設備など、備えておくべき物品のことです。具体的には、キッチンや食堂で使用される食器や調理器具、清掃用具などが一般的な備品として挙げられます。
工具器具備品との違い
工具器具備品は勘定科目のひとつであり、取得価額が10万円以上で耐用年数が1年以上の工具・器具・備品を指します。具体的には、パソコンやコピー機、冷蔵庫、看板などが該当します。
什器備品の勘定科目は消耗品?固定資産?
店舗の経営において、勘定科目をきちんと理解し、正しく経費計上することが重要です。什器備品の勘定科目は消耗品に該当するのか、固定資産に該当するのか、疑問に思っている方もいるでしょう。ここでは、什器備品の勘定科目について解説します。
消耗品とは
消耗品は使用するたびに価値が減少するか、短期間で使用期限が切れるものを指します。例えば、オフィス用品の文具のストック、清掃用品などが消耗品です。会計上は、使用可能期間が1年未満で取得価額が10万円未満のものが消耗品に該当します。
以下は、飲食店の消耗品例です。
・調理油・調味料:サラダ油、オリーブオイル、塩、砂糖
・調理用包丁や調理器具:ナイフ、まな板、フライパン
・調理用紙:キッチンペーパー、サランラップ、アルミホイル
・食材:野菜、肉、魚、缶詰
・清掃用品:モップ、ほうき、洗剤や消毒液
固定資産とは
固定資産とは、事業活動に使用するために取得した、長期間にわたって使用される資産のことです。会計上では、取得価額が10万円以上で1年以上にわたって使用されるものを指します。
以下は、飲食店の固定資産例です。
・キッチン設備:調理台、コンロ、オーブン、フライヤー、冷蔵庫、冷凍庫
・ダイニング設備:テーブル、椅子、カウンター、カウンタースツール、カウンターテーブル、照明
耐用年数が1年以上で10万円以上の什器備品は減価償却をする
減価償却は、固定資産の取得原価(購入価格や製造費など)を、耐用年数に応じて一定の割合で年々減少させるものです。資産は時間の経過によって価値が減少するという考えからきています。耐用年数は法律によって決められているため、什器備品が固定資産に該当する場合は、耐用年数を調べると良いでしょう。
また、減価償却には「一括償却資産」「少額減価償却資産」があります。一括償却資産は、当該資産を3年にわたって均等償却できる制度のことです。少額減価償却資産は、特定の中小企業であれば一定額まで当該資産の全額を損金に参入できる制度のことです。
これから店舗の運営やイベント出店などを考えている場合、どのような什器備品を選べばいいか、種類が豊富なだけに頭を抱えることもあるでしょう。什器備品は商品の見やすさや店舗の雰囲気にも影響するため、丁寧に選ぶことが重要です。ここでは、什器備品を選ぶ3つのポイントを解説します。
デザイン性
什器備品のデザインは、店舗のブランドイメージやコンセプトと一致していることが重要です。例えば、高級感を演出したい場合は、シンプルで洗練されたデザインの什器を選ぶと良いでしょう。モダン感を演出したい場合は、白や黒を基調とした都会的なデザインの什器が適しています。
また、什器備品は商品を魅力的に見せる役割も果たします。デザインが鮮やかで目を引くものやユニークな形状のものは、商品のアイキャッチとなり注目されるでしょう。商品が引き立つようなデザインを選び、陳列方法にも注意してみてください。
機能性
什器備品は見た目だけでなく、機能性も重要です。デザインが優れていても、実際の使用に支障がある場合は避けるべきでしょう。什器備品が店舗の目的や使用用途に応じた機能を持っているか、慎重に吟味してみてください。例えば、「きちんと商品を保管できるか」「取り扱いが容易か」「従業員が使いやすいか」などです。
機能性とデザインのバランスを考慮し、使いやすさと見た目の魅力を両立させることが理想といえます。
安全性
什器備品は、安定性・耐久性があることが求められます。特に、重い商品や機器をサポートするための棚やラックは、安定性が高く崩れにくい構造であることが重要です。さらに、人が接触する可能性がある場合は、倒れやすい備品は避け、安全性を確保するための固定具や補強を検討しましょう。
このように安全性が確保された什器備品を選ぶことで、従業員やお客さんの安全を守り、事故や怪我のリスクを最小限に抑えられます。
什器備品の金額を抑えて店舗運営するには?
什器備品を一から揃えるとなると、それなりに費用がかかります。そのため開業を控えている場合、什器備品の金額を少しでも抑えることが大事です。什器備品のコストを抑える方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
中古の什器を購入する
什器備品はすべて新品を揃える必要はありません。見た目や機能性、安全性に優れていれば、中古の什器でも十分です。中古であれば新品の半額以上で買えるケースがあり、コストを大幅に抑えられるでしょう。
しかし、品質や状態には個体差があるため、傷や汚れ、機能の問題がないかを確認することが大事です。また、必要に応じて修復や清掃が必要かどうかの判断も重要です。
什器をレンタルする
金額の大きい什器はレンタル業者からレンタルするのがおすすめです。レンタル料はかかりますが、初期費用は大幅に抑えられます。
什器をレンタルする際は、レンタル契約の期間や条件を注意深く確認しましょう。長期的な契約や短期的なイベントに合わせた一時的なレンタルなど、店舗のニーズに応じた柔軟な契約を選ぶことが大切です。
居抜き物件で開業する
居抜き物件とは、以前に飲食店や小売店が営業していた物件であり、設備や什器備品が一部残っている状態のことを指します。
残っている什器備品を再利用することで、新たに購入する什器備品の数を減らすことが可能です。居抜き物件では厨房設備や冷蔵庫、ショーケースなど、金額の高い什器が残っているケースがあります。
HIRAKELなら低予算で開業できる!
また、初期費用を抑えつつ飲食店を開業したい方は、コンテナ型店舗もおすすめです。 低リスクで購入、レンタルもできるのでこれまで飲食店や屋台を経営したことがない方でも安心です。
「コンテナ型店舗」「トレーラーキッチンカー」「マルシェブース」「ワゴン型屋台」のなかから、自分に合った出店方法を選ぶことが可能です。
また、HIRAKELレンタルでは、イベント出店に必要な飲食設備セットや、消防セットなどのレンタルもご用意しています。お試しで飲食店を開業してみたい方や、初期費用を抑えたい方にもぴったりのプランです。
まとめ
什器備品は店舗やイベントなどで使用する器具や備品を指します。勘定科目は、取得価額が10万円以上で1年以上にわたって使用するものであれば「固定資産」、取得価額が10万円未満で、使用するごとに消耗するものは「消耗品」に分類します。
什器備品を選ぶ際は、デザイン性や機能性、安全性を考慮することが大事です。什器備品取得の費用を抑えたい場合は、中古の什器を購入するか、什器のレンタルを検討してみてください。必要な什器を慎重に選び、飲食店やイベント出店を成功させましょう。