テナントを借りるよりも安い費用で飲食店を経営できる方法として、キッチンカーが人気です。キッチンカーは自由に設置場所を移動できるため、移転後やイベント出店時も変わらぬ味を提供できるメリットがあります。
ただし、場所を選べる分、キッチンカーの売上は「どこで営業するか」が重要です。ここではキッチンカーの出店におすすめの場所と、営業時の注意点を紹介します。
目次
キッチンカーにおすすめの出店場所5選
キッチンカーの売上は、出店場所に左右されます。代表的な出店場所として挙げられるのが、下記の5か所です。
・イベント会場
・ショッピングモールなどの商業施設
・アミューズメント施設
・観光地やテーマパーク
・道の駅やサービスエリア
ここからは、それぞれの特徴や、出店時にかかる費用の目安を紹介します。
おすすめの出店場所:①イベント会場
イベント会場は、スポーツやアウトドア、グルメなどのイベントが開催されている場所です。広い公園など屋外で開催されている場合もあれば、競技場や展示場など屋内が会場となっていることもあります。
出店料の相場 | 1日3,000円~10,000円程度 |
出店するメリット | ・1日の売上が高くなりやすい ・イベント主催者に集客を任せられる ・数をこなせるのでオペレーションが身につく ・他のキッチンカーオーナーと知り合える |
集客力が高く、イベントの規模次第で1日数十万円~数百万円の売上が見込めます。多くのお客様をさばくことでスタッフの経験を積めるうえ、オペレーションの課題も見つかります。
また、キッチンカーのオーナー同士で横のつながりが生まれることも、大きなメリットです。効率的に売る方法やおすすめのイベントなど、役立つ情報を共有できます。
しかし、売上を期待できる一方で、イベントの集客人数や規模、主催者によって出店料が大きく左右される特徴もあります。大規模なイベントに出店する場合は、かかる費用も大きくなることに注意しましょう。
基本は、土日祝やゴールデンウィークなど長期休暇期間の稼働なので、平日も出店したい場合は、ほかの場所との併用もおすすめです。
おすすめの出店場所:②ショッピングモールなどの商業施設
ショッピングモールやスーパーなど、商業施設の空きスペースや入口付近に出店する方法です。施設によっては催事の一環として複数のキッチンカーを集めたり、週替わりで異なるキッチンカーを招いたりすることもあります。
出店料の相場 | 平日:3,000円〜5,000円程度 土日祝日:5,000円〜10,000円程度 |
出店するメリット | ・平日も集客が見込める ・買い物客に購入してもらいやすい ・昼夕のピークを想定して準備できる ・のんびりと営業できる |
クレープやたこ焼きなど、手軽に食べられる定番商品が人気です。安定的に集客しやすい商業施設は、土日祝にイベント出店している方の平日出店先としても注目されています。
自ら積極的に集客しなくとも、商業施設を訪れた買い物客に購入してもらえるのがメリットです。昼夕にピークが訪れやすいため、日々のデータを参考に売れる量を想定して準備できます。
ただし、イベント会場と比べるとのんびりとした営業となるため、経験を積んだり売上を伸ばしたりするためには長時間の営業が必須です。
おすすめの出店場所:③アミューズメント施設
アミューズメント施設の空きスペースや、入口付近で出店する方法です。ゲームセンター、ボーリング場、パチンコ店、プールなど施設ごとに客層が異なるため、メニューに合った出店場所を選べます。
出店料の相場 | 1日3,000円~5,000円程度 |
出店するメリット | ・競合が少ない ・夕方以降の集客に期待できる ・施設のイベントに参加できる |
イベントや商業施設などと比べると、アミューズメント施設は出店候補として挙がりにくい傾向ですが、穴場スポットのため、競合が少ない環境で出店できるメリットがあります。
平日の昼間はのんびりとした営業でも、夕方以降や土日祝は集客アップが期待できます。また、施設によっては「会員証提示で割引」「チケットで1個プレゼント」などイベントの一環として活用してもらえるのも魅力です。
おすすめの出店場所:④観光地やテーマパーク
観光地やテーマパークも、キッチンカー需要が期待できる場所です。観光地やテーマパークは土産物店や飲食店が多い一方で、ちょっとした食べ歩き用の出店や屋台が少ない場所もあります。手軽に食べられるメニューを売るチャンスです。
出店料の相場 | 1日1,500円~5,000円程度 |
出店するメリット | ・幅広い層を集客できる ・人気スポットなら平日も売上が期待できる |
観光地やテーマパークは、平日も一定の集客が期待できます。家族連れやカップル、友達グループなど幅広い層を集客できるので、さまざまなメニューに向いていますし、人気スポットなら、平日も高い売上が見込めるのでおすすめです。
ただし、観光地やテーマパークは既存の店舗や園内施設が優先されるため、集客しにくい場所での出店となる可能性もあります。人気スポットだからと多めの在庫を持ち込むのではなく、事前にほかのキッチンカーの実績を調べたうえで営業や持ち込む量を検討しましょう。
おすすめの出店場所:⑤道の駅やサービスエリア
道の駅や高速道路のサービスエリアなども、キッチンカーが出店できる場所です。サービスエリアは家族連れやカップルのほかに、配送中のトラックドライバーや出張中のビジネス層などの集客も期待できます。空きスペースや駐車場での出店が基本です。
出店料の相場 | 1日5,000円程度 |
出店するメリット | ・幅広い層を集客できる ・土日祝の売上アップが期待できる |
平日でも比較的集客しやすいのが、道の駅やサービスエリアの魅力です。利用客が多い土日祝は、売上アップも見込めます。
ただし、既存店と取り扱いメニューが似ている場合は、出店自体を断られる可能性もあり、出店難易度が高いのが特徴です。地方は高齢者の利用も多いため、出店場所によってはメニューを吟味することも重要です。
キッチンカーの出店場所の探し方
キッチンカーの出店は、施設責任者やイベント主催者から許可を得る必要があります。まずは出店場所に目星をつけて責任者や主催者に交渉しましょう。
キッチンカーの出店場所を探す方法は、3パターンあげられます。
出店募集を施設のウェブページで探す
キッチンカーの出店に積極的な施設は、公式サイトに募集要項を掲載していることがあります。施設の公式サイトやイベント情報サイトなど、関連するウェブページを確認しましょう。
「出店者募集中」「キッチンカー募集」などの情報が掲載されていれば、高確率で出店交渉に応じてくれます。
SNSから出店募集を探す
施設やイベントのSNSも、出店募集を探すのに最適なプラットフォームです。出店者募集を掲載していることがあるので、こまめに出店したいエリアのイベント情報を探しましょう。毎年のように開催されているイベントの場合、早ければ1年前頃から次回出店募集の予定を掲載している場合もあります。
また、自らSNSアカウントで出店依頼を受け付けることもできます。SNSは、自分でお店の宣伝もしつつ出店先を探せるのがメリットなのです。
プロフィール欄や投稿欄に「出店先募集」「出店依頼はご連絡ください」など一文を掲載しておくと、出店を希望する施設やイベントから連絡がくることがあります。
マッチングサイトを利用する
キッチンカーなどの出店希望者と施設責任者、イベント主催者をマッチングしてくれる、専用サービスの利用もおすすめです。マッチングサイトに会員登録して、出店できるキッチンカーのメニューや強みなどをアピールすると、興味をもってくれた相手から依頼される仕組みです。
また、掲載されている施設やイベントの情報を参考に、出店希望者のほうから連絡することもできます。専用のマッチングサイトには出店を希望する施設やイベント情報のみが掲載されているため、断られる可能性が低く、効率的に探せます。
出店場所を探す際に注意すること
キッチンカーの出店場所を探すとき、注意すべきことがあります。場合によっては警察や行政が絡むトラブルに発展するおそれもあるため、必ず基本ルールを守ったうえで出店しましょう。
出店場所を探すときに注意すべきポイントは、次のとおりです。
無許可で道路や公園への出店は禁止
集客力を重視するなら、オフィス街や住宅地近くの道路、公園などの出店場所がおすすめです。ただし、無許可で道路や公園に出店することはできません。
無許可でのキッチンカー出店は不正使用とみなされ、道路交通法または都市公園法に違反するおそれがあります。
道路の利用には警察の許可が必要
道路で出店したい場合は、事前に警察で「道路使用許可(3号)」の取得が必要です。申請は、下記の必要書類や費用を揃えたうえで管轄の警察署で手続きします。
・道路使用許可申請書
・使用したい場所が分かる地図
・保健所で取得した営業許可証など
・関連するイベントのチラシなど
・手数料
道路使用許可の取得に必要な手数料は、地域や目的ごとに異なります。2,000円~3,000円程度が相場です。
地域によってはキッチンカー出店にともなう道路使用許可の手続き実績が少なく、資料不足で断られることがあります。少しでも申請許可が下りやすくなるように、イベント出店などをする際は関連するチラシや企画書なども持参することをおすすめします。
公園の利用には行政の許可が必要
公園での出店も、行政の許可を取得しなくてはなりません。公園に出店する場合は自ら希望する公園の運営団体や自治体に申請するほか、行政の出店募集に応募する方法があります。
行政の出店募集を探すときは、「キッチンカー 〇〇(地域名) 公園」などのキーワードでインターネット検索します。自治体の募集用ウェブページが見つかったら、募集要項をよく読んで応募期間内に手続きを済ませましょう。1年に1回しか募集しない自治体もあるので、こまめに情報収集することが大切です。
キッチンカーは食品衛生対策や経営の安定性、使用する設備の点検履歴など、さまざまな視点から審査されます。応募時は車検など設備に関する書類が必要となる場合もあるため、期間に余裕をもって申請準備を進めましょう。
下記の記事では、フードトラックをはじめるために必要な準備を詳しく解説しています。
まとめ
キッチンカーは手軽に移動できるため、イベント会場や商業施設など、さまざまな場所で出店できます。ただし、場所によっては出店そのものが禁止されていたり警察の許可が必要だったりと、注意すべき点もあります。
少ない初期費用で飲食店を開業することが目的の方は、キッチンカー以外の方法も検討してはいかがでしょうか。また、初期費用を抑えつつ飲食店を開業したい方は、コンテナ型店舗もおすすめです。
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