カフェを開業するときは、資格取得や店舗の確保など、事前準備が必要です。予定通りに開業するためにも、開業までの流れや必要な手続きをあらかじめ把握しておきましょう。
今回は、カフェ開業までの流れや必要な資格・費用について解説します。
目次
カフェ開業までの流れ
カフェを開業するには、準備が欠かせません。ここでは、カフェ開業までの流れを6つのステップで解説します。
ステップ1|コンセプトを決める
まずはお店のコンセプトを決めましょう。どのようなカフェにするのか、コンセプトや特徴を決めます。
例えば、和風カフェなら和の雰囲気を感じられるメニューが求められます。特定の動物や国、料理をコンセプトにする場合も、お客様がその世界観を体験できるようなメニューや雰囲気づくりが欠かせません。
同時に、どの客層をターゲットとするのかも考えましょう。
ステップ2|事業計画を立てる
カフェのコンセプトが確定したら、事業計画を立てます。事業計画とは、どのような方針で運営していくのか、どのように収益を上げていくのかを明確化することです。
ターゲットとなる客層や仕入れ先など、カフェを経営していく上で重要な指針となるため、実現可能な範囲で、具体的に決めることが大切です。
ステップ3|資金を準備する
カフェの開業には、店舗や設備にかかる初期費用、当面の運転資金など、まとまったお金が必要です。資金を準備するときは、事業が軌道に乗るまでの期間も考慮することが重要です。
開業直後から、連日大繁盛するとは限りません。軌道に乗るまでは経営者自身の収入が不安定になることもあるため、十分な生活資金を準備しておくことが大切です。
自己資金のみでは開業資金が足りないときは、融資も検討しましょう。
ステップ4|物件を探す
店舗用の物件を探します。新築にするか、既存の物件を活用するか、移動販売にするかなど、手段はさまざまです。
開業したいカフェのコンセプトやターゲットに合った立地・物件を選びましょう。ターゲット層に合った立地・物件でなければ、思うように集客できないおそれがあります。
ステップ5|資格取得・許可を得る
カフェなど飲食店を開業する際は、食品衛生責任者の設置や飲食店営業許可の取得が必要です。食品衛生責任者は、各都道府県の食品衛生協会が開催している指定の講座を受講すれば取得できます。飲食店営業許可は、管轄の保健所で申請・取得します。
注意点は、飲食店の種類や食品によって、必要な許認可が異なることです。開業するカフェの経営形態やメニューに合わせて、適切な資格を取得しましょう。
ステップ6|開業届を出す
個人でカフェを開業するときは、管轄の税務署へ開業届を提出します。提出期限が開業から1か月以内と定められている点に注意しましょう。
カフェ開業に必要な資格
カフェを開業するには、資格や許認可が必要です。ここでは、資格と許認可を取得するときの主な届け先や、必要となるケースを解説します。
飲食店を開業するときは、必ず食品衛生責任者の資格が必要です。店舗の規模によっては、防火管理者の資格も求められます。
【資格】
資格・許認可名 | 届出先 | 必要なケース |
食品衛生責任者 | 各都道府県の食品衛生協会 | 飲食店全般の営業 |
防火管理者 | 日本防火・防災協会 | 収容人数が30名を超える飲食店の営業 |
営業形態や取り扱う商品によっては、下記の資格・許認可も必要です。
【許認可】
資格・許認可名 | 届出先 | 必要なケース |
飲食店営業 | 管轄する地域の保健所 | 飲食店全般の営業 |
菓子製造業 | 管轄する地域の保健所 | パンや菓子の製造・販売 |
深夜酒類提供飲食店営業開始届出 | 管轄する地域の警察署 | 深夜0時以降にアルコール提供ありの店舗を営業 |
コーヒー豆の製造・加工業 | 管轄する地域の保健所 | コーヒー豆を自家焙煎したり挽いたりしたものを販売 |
アイスクリーム類製造業 | 管轄する地域の保健所 | アイスクリーム類の製造・販売 |
ただし、加工されたコーヒー豆を仕入れ、小分けにして販売する場合は、コーヒー豆の製造・加工業の許認可は必要ありません。
アイスクリームも、専用の原料を店頭で冷却して販売する(ソフトクリームなど)程度なら、飲食店営業の資格で十分です。牛乳や生クリームからアイスクリームを手作りする場合は、アイスクリーム類製造業の資格が必要となります。
【コンテナハウス】カフェ開業にかかる費用
コンテナハウスは、貨物の運搬に使用される海上コンテナを改造して居住や利用できるようにしたものです。個性的な外観は小型の店舗経営に向いており、表面をペイントするだけでクールな印象から可愛らしいものまで、お店の雰囲気に合ったデザインが楽しめます。
コンテナハウス店舗の特徴については以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
そんなコンテナハウスでカフェを開業する場合は、下記の初期費用が必要です。
・コンテナハウスの購入費用
・土地代
・輸送費用
・基礎工事費用
・カフェの内装工事費用
・カフェの備品・設備費用
ここからは、各費用について詳しく解説します。
コンテナハウスの購入費用
住居や店舗用に使用するコンテナハウスは、中古品を購入して内装などを改造する方法が一般的です。よって購入費用の予算も、中古品の価格帯で考えることとなります。
コンテナハウスを購入するときは、サイズごとの費用相場を目安にしましょう。各サイズの費用相場は、以下のとおりです。
サイズ | 費用相場 |
12フィート | 50万円〜 |
20フィート | 60万円〜 |
40フィート | 90万円〜 |
土地代
コンテナハウスを設置するときに必要となる土地代は、コンテナハウスを設置する際の重要なコストのひとつです。土地の形状や大きさ、立地条件によって、価格には大きな幅があります。市街地の中心部に近い土地は高価であることが多く、郊外や人口密度が低い地域では比較的安価に土地を確保できる傾向にあります。
また、コンテナハウスを設置するにあたっては、土地の形状がコンテナの配置に適しているか、必要なサイズのコンテナを運び込むための空間が確保できるか、という点もチェックしましょう。
輸送費用
輸送費用は、コンテナハウスを設置する際に発生する費用です。工場で組み立てられたコンテナハウスを現地まで運ぶためには、大型トラックなどの輸送手段が必要となります。
輸送費用は、コンテナを運ぶ距離や台数、コンテナの大きさによって大きく変動します。一般的に相場は数十万円以上といわれていますが、これはあくまで目安に過ぎないため、事前に見積もりを取って確認しましょう。
また、輸送コストは周辺の道路状況によっても変動する費用です。狭い道路や急な坂道がある場合、特別な輸送手段や迂回路を利用する必要が出てくることもあり、追加費用が発生することもあります。
基礎工事費用
基礎工事費用は、コンテナハウスを支える土台を設置するために必要な費用です。基礎工事とは、建築物の安定性を高めるための土台を据える工事を指します。基礎工事をすることで、地震に耐えうる強度を維持することが可能です。
費用は、設置するコンテナハウスのサイズや施工場所の地盤状況、使用するコンクリートの種類や配合によって大きく変動します。
カフェの内装工事費用
コンテナハウスでカフェ開業するメリットのひとつが、独自の雰囲気を演出できることです。オーナーにとって内装工事はこだわりたいポイントのひとつでしょう。
内装工事費は工賃のほかに設計費や材料費なども含まれるため、内装会社やデザインによって大きく変動します。すべてを業者に委託するほか、可能な範囲でDIYを取り入れる方法もあります。
業者に内装工事を依頼した場合と、DIYした場合の費用相場は、以下のとおりです。
依頼する範囲 | 費用相場(坪単価) |
業者に委託した場合 | 50万円~ |
DIYした場合 | 15万円~ |
内装工事は床面積など施工範囲によっても異なるため、予算を少しでも抑えたいのであれば、可能な範囲でDIYを取り入れてみましょう。
カフェの備品・設備費用
カフェを開業するにあたり、下記のようなさまざまな設備を購入・設置する必要があります。
・食器・カトラリーなどの備品
・食洗器・換気扇などの厨房機器
・空調設備
・家具・小物などのインテリア
どのようなカフェにするか、提供するメニューや座席数、選ぶアイテムのグレードによって具体的な費用は大きく変動します。
例えば食器類は量産品を使用すれば安価で済みますが、高級品で揃えれば費用は高くなります。使い捨ての容器を導入するのであれば、継続的なコストも視野に入れなくてはなりません。
コーヒーを提供する場合、エスプレッソマシンなど専用機器を導入する費用も必要です。一例として、エスプレッソマシン1台の費用相場は10〜20万円程度を見ておきましょう。 新品にこだわらないのであれば、食器やカトラリー、厨房機器や家具類は中古品を探すのも手段のひとつです。運が良ければ、ほぼ新品状態のものを安価で入手することができます。
【コンテナハウスのカフェ開業】運転資金も忘れずに準備する
コンテナハウスでカフェを開業する場合、前述した店舗の開業費用だけでなく、運転資金も必要です。
事業が軌道に乗るまでは、材料や備品の購入費、従業員の給料などを、当面は運転資金で乗り切らなければならない可能性も考えられます。問題なく経営できるよう、運転資金は想定する売り上げの6~12か月分を用意しておきましょう。
多くを内装費に充ててしまい、運転資金が大幅に減ってしまった、という事態を避けるために、運転資金は内装などの初期費用と分けて確保しておくことをおすすめします。
【その他】コンテナハウスでのカフェ開業にかかる諸費用
コンテナハウスでのカフェ開業を軌道に乗せるためには、その他の諸費用も忘れずに用意しておくことが大切です。効果的な施策を思いついても実行するだけの資金がなければ、現実には集客につながらないでしょう。
最後に、前述した初期費用や運転資金に加えて、コンテナハウスでのカフェ開業で必要な諸費用を2種類紹介します。
広告宣伝費
可能な限り用意しておきたい諸費用のひとつが、広告宣伝費です。見落とすことが多い上に、重要視されにくい項目ですが、集客のために欠かせない費用といえます。
開業当初は、知り合いによる来店や物珍しさである程度の集客を見込めます。しかし目新しさを感じられなくなれば来客数は減ってしまうため、新たなお客様を呼び込む工夫が必要です。
集客効果を長続きさせるためには、宣伝が必要不可欠です。オープン初日から多くのお客様に来店してもらえるよう、開業前から宣伝しましょう。
広告宣伝費の目安は、売上の5~10%程度が目安です。開業後に落ち着いてから宣伝する方法もありますが、開業前からオープン日や店舗の存在を知ってもらえるよう、宣伝に力を入れましょう。
各種申請費用
もうひとつ、開業資金のほかに忘れてはならないのが、各種申請費用です。
カフェなどの飲食店を経営する場合、開業前にさまざまな許可を取得する必要があります。事業内容(アルコール提供の有無など)によって必要な許可は異なるため、事前に行政へ確認しておくと安心です。
カフェ経営で必要となる許可を得るためには、申請費用も発生します。ここでは主な申請費用を紹介します。
手数料の種類 | 費用 |
飲食店営業の申請手数料 | 飲食店営業許可:15,000円~19,000円程度 喫茶店営業許可:10,000円~11,000円程度 |
菓子製造業の申請手数料 | 16,000円程度 |
食品衛生責任者の取得費用(受講料) | 10,000円程度 |
防火管理者の取得費用(受講料) | 6,500円~7,500円程度 |
申請方法や費用は、自治体ごとに異なる場合があります。
各種申請方法や費用については、以下の記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
また、一定の要件を満たしていれば、カフェ開業にあたって各自治体が独自に行っている助成金・補助金を活用することもできます。開業資金やその他諸費用を少しでも安く抑えたいなら、助成金・補助金の申請も行ってはいかがでしょうか。
また、初期費用を抑えつつ飲食店を開業したい方は、コンテナ型店舗もおすすめです。 低リスクで購入、レンタルもできるのでこれまで飲食店や屋台を経営したことがない方でも安心です。
まとめ
カフェを開業するときは、収益につながるよう客層に合った立地・物件を選ぶことが大切です。また、経営を軌道に乗せられるように、事業計画などの事前準備は綿密に行いましょう。
開業前に忘れてはならないのが、資格や許認可の手続きです。中には、事前相談が必要な資格や事業内容に応じて追加で必要となる許認可もあります。カフェのコンセプトやメニューが決まったら、どの資格や許認可を取得すべきか調べておくことが大切です。