カフェ開業の夢を叶えるためには、資金計画が不可欠です。物件取得費や内装費、設備費など、一体いくらかかるのか、どのように資金調達すべきか不安な方もいるでしょう。今回は、カフェ開業に必要な資金の全体像を明確にし、費用を抑えるための方法について解説します。
目次
カフェの開業資金1｜初期費用
カフェを開業するには、物件取得費や内装費、設備費、広告宣伝費など、さまざまな費用がかかります。まずは、カフェの開業に必要な初期費用をみていきましょう。
物件取得費
物件取得費とは、店舗契約時に発生する初期費用を指します。この費用は物件の立地や規模によって変動し、一般的には賃料の数か月分を前払いする形で発生します。具体的な内訳は下記の通りです。
・保証金：家賃の10か月分程度
・礼金：家賃の1か月分程度
・仲介手数料：家賃の1か月分程度
このように、合計で家賃の12か月分程度が必要となるケースが多いようです。
さらに、物件取得後は、内装工事期間中の賃料や、営業開始月の前払い賃料も考慮する必要があります。これらの費用は、少なくとも2か月分程度の金額に相当することが一般的です。
そのため、長期的な視点で資金計画を立てることが大切です。
内装工事費
内装工事費とは、設計費、材料費、工事費などを指します。飲食設備を新たに設置するか、既存の設備が残っている物件を選ぶかで、内装工事にかかるコストは大幅に変動します。
また、デザインによっても費用は異なります。例えば、小規模から中規模のカフェの場合、1坪あたり約40万円が目安です。物件を選ぶ際は、予算の上限を設定し、計画的に進めましょう。
設備や備品
設備や備品の費用は、店舗で取り扱うメニューだけでなく、お手洗いや販売スペースなどの有無によっても左右されます。カフェ開業に必要となる主な設備や備品は下記の通りです。
・テーブル、椅子
・食器棚、チェスト
・食器、消耗品
・調理器具
・メニュー表
・看板
・レジ
・エアコン
・オーディオ設備など
厨房機器などの準備にかかる費用は、10坪程度の小規模カフェの場合で平均120万円、16～17坪程度のカフェでは平均200万円程度が目安です。エスプレッソマシンや食器洗浄機などを使用する場合は、数10万円程度の追加費用がかかります。
ほかにも、食器や備品などは単価と購入予定の数を把握しておきましょう。10坪程度のカフェで30万円程度の費用が目安です。看板やレジなどは別途費用がかかるため、準備が必要なものをまとめておくことをおすすめします。
広告宣伝費
カフェの集客を成功させるためには、効果的な広告宣伝が不可欠です。一般的な広告宣伝の方法は下記の通りです。
【オフライン広告】
チラシやポスターは、カフェの開店日やメニュー、コンセプトを地域の方に知らせる有効な手段です。デザインや印刷方法などによっても費用は変わります。
【オンライン広告】
ホームページは、店舗情報の発信だけでなく、オンラインショップや予約システムと連携することで、売上アップにつながります。制作費用はデザインや機能によって異なりますが、数万円から数百万円まで幅があります。
カフェの開業資金2｜運転資金
カフェや喫茶店を開業後、経営が安定するまでには時間がかかることが一般的です。そのため、十分な運転資金を確保しておきましょう。
目安として、家賃の10か月から1年分程度を用意しておくと安心です。ここでは、具体的にどのような費用が必要なのか、内訳を紹介します。
仕入れ費用
メニューを提供するために必要な食材やコーヒー豆など、仕入れにかかる材料費は常に発生します。メニュー価格は頻繁な変更が難しいため、売上と利益のバランスを考慮しながら、仕入れ価格を慎重に決定することが大切です。
水道光熱費・通信費
水道、電気、ガスなどの公共料金は、開業後も毎月発生する費用です。通信費には、電話やインターネット使用料だけでなく、郵便を送るための切手代なども含まれます。
家賃
賃貸契約を結んだ店舗の家賃は、毎月支払う必要があります。開業後の経費の中でも大きな割合を占めるため、予算内で無理なく運営できる家賃の物件を選ぶことが大切です。
雑費・消耗品費・人件費
ナプキン、おしぼり、ガムシロップ、ストロー、テイクアウト用の袋など、仕入れのほかに必要な消耗品や雑費は、予想以上にかさむことがあります。また、スタッフを雇用する場合は、給与の支払いが発生します。
【形式別】カフェの開業資金相場
カフェには店舗型と自宅型、移動型の形態があり、それぞれ必要な費用が異なります。ここでは、カフェの開業資金の相場を形式別に紹介します。
店舗型カフェ｜500万円～1,500万円
店舗型カフェとは、物件を借りて営業するカフェのことです。物件取得費や内装費を含めると、まとまった資金が必要となります。
開店資金の相場は、500～1500万円程度です。物件取得後は家賃のほか、修繕費や管理費、地域の町内会費などが発生する場合もあります。
自宅型カフェ｜300万円～800万円
自宅カフェとは、自宅の一室を改装して営業するカフェのことを指します。持ち家であれば物件取得費や家賃を抑えられるため、300～800万円ほどで開業が可能です。
ただし、自宅をカフェにする際は「用途地域」について確認しておくことが大切です。用途地域とは、都市計画法に基づき、土地の用途を13種類に区分したもので、「住居地域」や「商業地域」などがあります。
特に、「第一種低層住居専用地域」では、住宅に対して店舗区画を50㎡未満でなければならないという制限があります。
自宅をカフェにする場合は、お住まいの地域で営業が可能かどうかを市役所で確認しましょう。
移動型カフェ｜100万円～300万円
移動型カフェとは、特定の場所に店舗を構えず、車両などを活用して営業するカフェのことです。物件取得費がかからず、車両一台から始められるため、比較的初期費用を抑えられます。車両の購入費や駐車場代、車両の施工費などを含め、相場は100～300万円ほどです。
公園やイベント会場など、さまざまな場所で営業できるのが魅力ですが、出店場所の確保やガソリン代などの維持費も考慮する必要があります。
また、新車か中古車によっても費用が異なるため、慎重に検討しましょう。
キッチンカーを開業する方法や、事業を成功に導くコツなどが知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
カフェの開業資金を安く抑えるには
カフェの開業資金を抑えたい場合、既存の設備や内装が残っている「居抜き物件」を選ぶこともひとつの手です。居抜き物件を活用すれば新たに内装や設備を導入するよりも、数百万円のコストを削減できる可能性があります。
ただし、既存の設備や内装が必ずしも理想通りとは限りません。場合によっては改装や修繕が必要になり、想定外の費用が発生することもあります。
また、居抜き物件は開業資金が抑えられる点で人気があり、競争率も高いため、根気良く探すことが大切です。
駅前や商業エリアは集客力が見込める一方で、賃料が高くなる傾向があります。そこで、少し範囲を広げて住宅街やオフィス街など、比較的賃料が手頃なエリアを選ぶ、あるいは間借り営業を活用することで、固定費の削減につながります。
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カフェの開業資金を抑えたい方は、ぜひ「HIRAKELオーダー」を活用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
カフェの開業資金は、規模やデザイン、形態によって大きく異なります。そのため、初期費用や運転費用などを確認しておきましょう。カフェの開店資金を抑えたい方は、居抜き物件などを活用するのもおすすめです。
